NIHON KOGEIKAI
第37回 日本伝統工芸染織展
入賞作品解説
2-00108-002-037-00025
日本工芸会会長賞
すくも藍麻地長板中形着物「貝合わせ」
(すくもあいあさじながいたちゅうがたきもの かいあわせ)
小宮康正(こみや やすまさ)
幕末・明治初期と推定される型紙を原型として、紗綾形地に貝合わせの文様を染め上げた力作である。人間国宝であった清水幸太郎氏(1897〜1988)がオリジナルの型紙を用いて「京追掛紗綾形蛤文浴衣」を制作されているが、本作品は用布を木綿ではなく麻として独特の味わいを演出し、文様も単なる復刻にとどまらず伝統的な緊張感の中に今日的な創意を垣間見せている。精緻な文様の二枚型を以て両面から正確に糊を置くという至難の業を事も無げに成し遂げてしまう手技には、江戸の技術の確実な伝承をうかがうことができる。