3-00056-003-025-00078
輪島漆芸美術館奨励賞
まきえばこ「しゅんかい」
蒔絵箱「春海」
寺西松太(てらにし しょうた)
| 黒漆塗の被せ蓋造り飾箱。器形や塗り肌にみられる練達の技に加え、金・銀の平目粉による伝統的な研出蒔絵技法と蜻蛉(せいろう)塗(変り塗の一種)の手法を併用して表出した海磯の洗練された意匠が効果的である。蓋表は漆の盛り上げで波文をあらわし、波頭を大小の銀粉で際立たせた海浜の景。皿側面には春の息吹きを感じさせる漁場の海中のさまを配するが、回遊する烏賊(いか)の群れや細魚(さより)の背には白蝶貝とあわび貝の細片が煌(きらめ)き、漆黒の地に独特の光彩を放つ。加飾技法と明快な意匠がみごとに調和した佳品。(記 河田 貞) |
製作著作
社団法人日本工芸会
2007