NIHON KOGEIKAI
第五十三回 日本伝統工芸展
受賞作品解説


5-00051-000-053-00563

朝日新聞社賞

かえでふきうるしはこ「こうげつせんり」
楓拭漆箱「皓月千里」

須田賢司(すだけんじ)


 長六角の蓋身ともに、年輪に直角の整った縮みと白さが際立つ楓の稀有な材である。真っ黒な黒柿1本の線でかき分けられた天板と側板の広やかさが美しく、また拭漆の蓋と身の黒白が対照を成している。蓋の短側面に透かして見える身の装飾は、水面の月明かりか、黒柿と銀光りする楓材の木画である。腰に回された細いシャム柿材には象牙の小円が埋め込まれ、上方と下方を分けて建築的な装いを印象付けている。中国・洞庭湖の畔、月の明かりが千里を照らすという故事を心象に、洗練された造形としている。(諸山正則)

(第五十三回 日本伝統工芸展図録より)



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製作著作
社団法人日本工芸会
2006