NIHON KOGEIKAI
第27回 西部工芸展
入賞作品<自由作品の部>
2-00085-999-027-00854
朝日新聞社金賞
市松絽織夏帯「晨」
松田えり子
素材の持つ質感、織の技術、黄と藍―こぶな草と藍の生葉―の色彩の配分が作者の手もとにおいて、これほど無理なく各々の本領を発揮し、それが織物の美の領域をくまなく徘徊し、結晶した作品は珍しい。作者自身もおそらく予想外の効果、完成の不思議に戸惑ったのではなかろうか。仕事はある点で自分の手の及ばないところで終結を迎える。けれどそれは作者自身の弛まぬ精進のたまものであり、日頃の心がけをくみして与えられたご褒美であるような気がする。盛夏涼風の立つ宵に、この裂を透かせて、天の星を仰ぎたい思いがする。
(第27回 西部工芸展図録より)

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製作著作
社団法人日本工芸会
1992