NIHON KOGEIKAI
第33回 東海伝統工芸展
入賞作品解説
1-00675-222-033-00010
東海伝統奨励賞(丸栄賞)
志野壺
伊藤公洋
我が国の陶磁史は、桃山にきて初めて日本人独自の感性と美意識による陶芸文化を開花させた。志野はその一つで、樹木にかかる雪のごとく柔らかく、膨よかな感じの長石質釉を施した“やきもの”である。当時は、山の斜面に築いた半地上の窯で熱効率が悪く、焼成には幾日も要し、それがえも言えぬ雅味を生み出した。
現代作家の殆どは、近代工業の所産ともいえるガス窯を使用して、過去のプロセスを具現するための努力をしている。
この作者も、恐らくガス圧のゲージを睨みながら炎を制御し、焼き上げには1週間前後を費やしているであろう。端正な形状に志野の特徴を巧みに生かした佳作である。
(第33回 東海伝統工芸展図録より)

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製作著作
社団法人日本工芸会
2002