NIHON KOGEIKAI
第36回 東海伝統工芸展
入賞作品解説


2-00409-222-036-00130

NHK名古屋放送局長賞
紬織着物「春を見る」
加藤 玲


 植物染料の魅力は、透明感と鮮やかな色の美しさにあります。また、"織色"という経糸と緯糸とが重なり合ってできる織物だけが持つ色の美しさがあります。
 福木と梔子(黄色)、臭木の実(水色)を使い、その掛け合わせや媒染剤の違いで濃淡様々に染色した糸を、経緯共にぼかしの格子状に織られた作品からは、まるで万華鏡のような色の変化や広がり光までもが感じられ、春の花の香が漂ってくるようです。それぞれの色をより生かしているのは、"白"の効果的な使い方です。作者の色に対しての鋭い感性と冷静な目がそこにあります。
 また、紬織でありながら紬と感じられないくらいの繊細な織り方に、確かな織技術が充分に備わっていることを知ることができます。
 衣装としての染織の美しさは、格調と華やかさであると言われておりますが、この2つの要素を合わせ持ち、その上若々しさもあり、さらなる飛躍を期待します。

(第36回 東海伝統工芸展図録より)



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製作著作
社団法人日本工芸会
2005