3-00056-003-023-00071
日本工芸会賞
まきえばこ ぎょえい
蒔絵箱「魚映」
寺西松太(てらにし しょうた)
秋の河口の浅瀬でハゼが群れる様子が映し出されている。金粉を全体に用いながら、粉
の粒子や研ぎを調節して落ち着いた色調でまとめ、デザインの要所となるハゼの目は青貝
で、水面の泡は蜻蛉塗りと呼ばれる変わり塗りで仕上げるなど、蒔絵の技もしっかりと生
かして見どころとしている。魚・水・波・泡などのたくさんのモチーフを自身の技とセン
スで再構成して、なにげない海辺の情景を巧みに表現した優れた作品である。
(記 唐澤昌宏) |
製作著作
社団法人日本工芸会
2006