3-00100-003-024-00002
東京都教育委員会賞
ひのきつくりきゅうしつせんもんだえんもりき
檜造キュウ漆線文楕円盛器
荒川文彦(あらかわ ふみひこ)
木曾檜を用いた刳物。和紙を貼った上に蒔地を施した堅牢な下地である。黒漆と潤朱漆とで塗り分け、塗り放したきゅう漆は見事である。周縁の銀線は、木地に溝を彫り、下地をつけ中塗の段階で再び溝の部分の彫りと研ぎを行う。角形の銀線を嵌め上漆で塗り込めて、銀線上の漆を剥いで仕上げた。
端正な楕円の器形、銀と珊瑚の装飾、きゅう漆の技も冴え、現代的なセンスの中に高度な伝統技術を覗かせている。(記 内田篤呉) |
製作著作
社団法人日本工芸会
2007