1-00201-000-044-00174
東京都知事賞
てつゆうとりもんおおばち
鉄釉鳥文大鉢
原 清(はら きよし)
黒色の重厚な地文に窯変が生じ、八箇所に開けた窓には褐色の鳥文が配される。
いずれも鉄釉であって、その微妙な色合いが調和し、朴訥な効果を見せる。
成形は、撚り土(粘土紐)を巻き上げて基本形を作った後に轆轤で仕上げ、
底部は付高台というように、随所に「土」と「手」との感触を漂わす。
そのため、剛毅な存在感が生まれた。
技巧に走ることを自制した作陶のあり方は、
石黒宗麿以来の現代鉄釉陶器の系譜に新しい1ページを加えた。
(第四十四回 日本伝統工芸展図録より)
製作著作
社団法人日本工芸会
1997