NIHON KOGEIKAI
第四十四回 日本伝統工芸展
受賞作品解説


3-00009-000-044-00380

文部大臣賞

かもんたいまいらでんかざりばこ
華文玳瑁螺鈿飾箱

北村昭斎(きたむら しょうさい)


 文化財修理や模造にも従事する作者は、古典の現代化を課題とする。
木地に檜板(厚さ1ミリ)の積層材を用い、蓋に柔らかい甲盛を施す。
加飾は古典的螺鈿で、大きな菱花文は白蝶貝、小花は強く輝く夜光貝を用いた。
大きな花文の全面は物理的にあらした粗面で、その輪郭を太い線で彫り、
その中の線は鋭く細くリズムをもって彫る。これらの凹部に漆を埋め、花芯には金粉、
その他の広い部分に銀粉を付着させた。裏に金箔を貼った玳瑁の線で形態を引きしめ、
黒漆の塗面は乾漆粉で凹凸を作ったイジ肌で貝と調和させた。
格調高い気品とともに、毛彫りの表現を深めるなどの新味を加え、自己の課題にこたえた。

(第四十四回 日本伝統工芸展図録より)



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製作著作
社団法人日本工芸会
1997