NIHON KOGEIKAI
第四十四回 日本伝統工芸展
受賞作品解説


5-00049-000-044-00547

日本工芸会奨励賞

たももくはこ
タモ杢筥

篠原 傑(しのはら すぐる)


 木塊の中に潜む、自らがイメージする作品を掘りだすかのような技法が刳物である。
この作品はその技法で、タモの良材を長手の筥に仕上げている。
ふくよかな丸みや美しい曲面は刳物の特徴をよく生かしており、しかもその造形の自由さに
溺れる事なく、四つの面に分割された蓋の美しい稜線をあやなしシャープさをも兼ね備えている。
難しいタモの拭漆も深みのある色合いに仕上がり、木が本来持っている質感、量感を十分表現し
木に寄せる作者の熱い思いが伝わってくる。手許に置き玉梓などを忍ばせたい佳品である。

(第四十四回 日本伝統工芸展図録より)



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製作著作
社団法人日本工芸会
1997