NIHON KOGEIKAI
第26回 東海伝統工芸展
入賞作品解説


3-00117-222-026-00134

日本工芸会賞
刷毛目朱溜塗手箱
新井吉雄

 この箱は、桐材で素地を作り、布着せ、本堅地、黒中塗りを施し、その上に朱溜の塗りでしあげています。この朱溜は、本朱の紅漆を塗り、その上に木地呂漆と朱合漆で調和した半艶消し半透明の漆を塗り、下の紅色がほんのりと透けて見える工夫をしています。
 この作品の注目すべき所は、朱溜の塗りと同時に、白漆を縦に長いヘラで、穂の長い刷毛で左右交互に、文様を施している点です。これはやり直しの出来ない技法であるにもかかわらず、白漆の文様がバランス良く描かれています。
 塗り立ての柔らかい、麗しい光沢をもった漆独特の肌に、白漆の刷毛目の文様が控え目に施され、漆塗りならではの美しい気品のある秀作です。

(第26回 東海伝統工芸展図録より)



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製作著作
社団法人日本工芸会
1995