NIHON KOGEIKAI
第27回 東海伝統工芸展
入賞作品解説


2-00242-222-027-00121

岐阜高島屋賞(東海伝統奨励賞)
紬織着物「響」
平 祐子

 市松(あるいは石畳)は、最も古典的な、普遍性を持った文様です。グレーの濃淡に染め分けた単純な絣を、素直に積み重ねて文様は出来上がっていきます。作者は、「自分の着たい着物」を、何の邪心もなく織りました。市松のひとこまをグラデーションの横縞にしたこと、そこに作者の主張があります。
 虚飾を排したこの色と形は、無機質の冷たい光を放つはずですが、紬の質感に支えられ、それは豊かさを内包したやすらぎへと転化しています。華麗・巧緻とは対極の無欲の作品づくりは、今後の仕事の原点となるものと思われます。

(第27回 東海伝統工芸展図録より)



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製作著作
社団法人日本工芸会
1996