NIHON KOGEIKAI

漆芸

平成14年 5月17日更新


漆芸の用語解説


 乾漆(かんしつ)

 麻布や和紙を原形に数枚糊漆で貼り重ねて作った素地。夾紵(きょうちょ)ともいう。

    作品例:林  曉   乾漆輪華盤
    作品例:竹内幸司   乾漆蓋物


 皮胎(ひたい)

 皮を原形に貼り漆で固めて作る素地。

    作品例:増村紀一郎  漆皮輪花鉢


 紙胎(したい)

 紙を原形に貼り漆で固めて作る素地。


 金胎(きんたい)

 金属で作る素地。


 籃胎(らんたい)

 竹を編んだり、巻上げたりして作る素地。

    作品例:大谷早人   籃胎蒟醤十二角食籠
    作品例:小森邦衛   籃胎提盤


 蒔絵(まきえ)

 漆の強い接着力を利用し、漆で文様を描いたり塗ったりした所に、金、銀等の細かい粉を蒔き、
 研ぎ磨き上げる技法。研出(とぎだし)蒔絵、平(ひら)蒔絵、高(たか)蒔絵等がある。

    作品例:田口善国*  蔓葉文蒔絵飾箱
    作品例:向井武志   蒔絵箱「揺」


 螺鈿(らでん)

 夜光貝、鮑、蝶貝等の貝片を文様に切り、器物に張り付けたり、埋め込んだり、
 彫り込んだりして装飾する技法。

    作品例:北村昭斎   華菱文玳瑁螺鈿箱
    作品例:三好かがり  彩切員蒔絵箱「静夜」


 平文(ひょうもん)

 金、銀、錫等の薄板金を文様に切り、器物に漆で貼り付け装飾する技法で
 文様の上に刀や鏨(たがね)で線彫りを施す事もある。平脱(へいだつ)ともいう。

    作品例:大場松魚*  平文和光不二箱
    作品例:市島桜魚   蒔絵重ね箱「円響」


 蒟醤(きんま)

 漆を塗った上に文様を線彫りし、さまざまな色漆を埋めて研ぎ出す技法。
 填漆(てんしつ)ともいう。

    作品例:磯井正美*  蒟醤あまちゃ箱
    作品例:太田 儔*  籃胎蒟醤茶箱「春風」


 彫漆(ちょうしつ)

 色漆を何層にも塗り重ねて、その層を立体的に表したもの。堆朱(ついしゅ)、
 堆黒(ついこく)、屈輪(ぐり)と呼ばれるのもこの技法の一種。

    作品例:音丸 淳    彫漆盛器「石畳」
    作品例:北岡省三    彫漆盛器「流」


 キュウ漆(きゅうしつ)

 漆塗りのことで、様々な塗り方がある。磨いて光沢を上げる「呂色(ろいろ)仕上げ」の塗り方と、
 「塗り立て」・「花塗り」と呼ばれる塗り放しの技法がある。

    作品例:塩多慶四郎*  乾漆曲線文溜塗提盤
    作品例:塩多淳次    乾漆盛器


 沈金(ちんきん)

 漆を塗った上に文様を彫り、金粉金箔を埋めて研ぎ出す技法。

    作品例:前 史雄    沈金箱「朝霧」
    作品例:鳥毛 清    沈金飾箱「逍遙」


(*:重要無形文化財保持者)



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製作著作
社団法人日本工芸会
1998